ホロスコープでは基本10天体と軸に加えて小天体や感受点なども読んだりもします。
今回は感受点の一つであるブラックムーンリリスに焦点を当ててみたいと思います。
色々なリリス
ブラックムーンとあるように月に関係しますが、天体ではなく計算上のポイント。
月は地球の軸に対して5度傾いて回っているため、まん丸ではなく楕円を描きながら回っています。そうすると地球から見て一番近い白道上のポイントと一番遠い白道上の2つのポイントができます。その一番遠いポイントのことを「ブラックムーンリリス」と呼んでいます。
占星術で使うリリスは3つあり、チャートでは別々の位置になります。
- ブラックムーンリリス(ミーン):月の不規則な動きを平均化したもので、占星術でメインに使われているもの。
- ブラックムーンリリス(トゥルー):1980年代から計算技術の発展で出始めたもので歴史は浅いのですが、地球から観測した月の不規則な動きをそのまま計算したもの。
- ダークムーンリリス(Waldemath):架空の天体。
月はゆらぎであり、不規則なものとしてそのままに近いトゥルーリリス(以下リリスとします)の方がしっくりくるなと思い、わたしは主にこちらを使っています。
リリスの伝承
リリスは昔はシュメール時代からそれぞれの文化の中で神話や伝承などで語られていますが、死・闇・反逆・独立・自由・性などの似たワードが出てきます。そのうちの一つ、ユダヤの伝承を紹介します。
ユダヤの伝承ではリリスはアダムと同じに同等の関係の男女として創られました。
しかしアダムがリリスを同等に扱ってこないこと(特に性生活においてのパワーバランスが不平等だ!と)に怒ってアダムの元から去ってしまいます。
神様は天使たちをよこしてリリスにアダムの元へ戻るよう説得しますが、リリスは戻るどころか当てつけのように悪魔たちと関係を持つのでした。
神様はそんなリリスに自分の子ども100人を(!)殺したとして罪(言いがかり)を与え悪魔認定し追放します。
その一方でアダムの肋骨から夫に従順なイヴを創り、アダムの2番目の妻としました。
以来、ユダヤ教ではイヴは夫に従順でない上に悪魔と不貞をはたらく悪い女であり、自分の子供を殺す残忍な初の女悪魔とされたのです・・・。
と、昔々のお話。
昔は乳幼児の死亡率も高かったため、リリスの存在は女性や妊婦さんに恐れられ、中世ユダヤの女性たちはリリス除けの護符を持っていたそう。
この中世ユダヤ教の中では、
悪い女=夫に楯突く女、独立心を持つ女、母親である前に女を主張するような女、自由を主張する女、従順さのない女、反抗的な女
として「こんな女になるなよ~」と教えてきたということですね。
世界中、昔と比べれば今は平等にはなってきているけれど、良き母であることはやはり求められる風潮にあると思うし、男女平等を比較的早く訴え始めたヨーロッパでさえ、今でも完全に対等な関係ではないと思います。
そういう面では、リリスはまだ悪魔リリスのレッテル貼りから完全に解放されていないのでしょう。
リリスが意味すること
占星術におけるリリスは大まかに言うと抑圧された欲望とされています。
※これより先はわたしの個人的解釈も含んで書いています。
抑圧されたものは
- 抑圧の末に爆発するパターン
- 抑圧に耐えきれず身体が症状として出すパターン
- 抑圧の現実に蓋をして別の行動にすり替えて無意識で発散するパターン
- そのまま抑圧され続けて抑圧された自分をいつの間にか本当の自分と思い込むパターン
他にも色々パターンはありそうですが、こんな感じにどれも不自然なエネルギーに変わります。
抑圧されたものはできれば解放、解消、消化、昇華した方がいい。
人間は自然の生き物だから。
まずは何に抑圧された欲望を持っているのかということを知ること。
自分のホロスコープのサインとハウス、アスペクトそしてプラスサビアンシンボルなどを見てみるとリリスが自分の抑圧された欲望が何かのヒントを示してくれています。これを元に自分の人生の出来事に照らし合わせて眺めていくと「ハッ」と思い当たる節があるかもしれないし、初めからピンとは来ないかもしれません。
欲望というと強い野望とか煩悩とか執着とか満たされていない心などが連想されます。希望や望みなどの明るく軽いイメージと違って、心の奥底にギューッと圧縮されて潜んでいるんだけどすごく熱い炎でじっくりと燃えているイメージ。
欲望にもレベルは色々で、ものすごく強い気持ちや欲求から絶対人には言えないようなドロドロしたものまであると思います。結局色々な種類があるにせよ、まとめて無意識の奥底に潜む感情なんだと思います。
リリスと月
感情・心と言えば月。
リリスは月の遠地点として月と関りが深いです。
月は目に見えるけれど、月の軌道は実体がなく目には見えないもの。
自分の心でさえなかなか掴みにくいものなのに、地球から見て一番遠い月の道のポイントにあるリリスは、地球にいるわたしたちからは更に実体が掴みにくい心の奥底の部分。
けれどエネルギーとしては確かに存在していて、ハンカチ落しゲーム的な感じでリリスが地球から一番遠い所にに落とし物をして一応ヒントとしてわたしたちに知らせている・・・リリスはそのハンカチをわたしたちに拾ってもらうことも秘かに望んでいる。神様に追放された悪魔のレッテル貼りが邪魔をして、気付かれたいのに気付かれるように上手くできない。だからヒントもぎこちない。ストレートに伝えられないから暴走気味に伝えてくる。
月より更に深く感じにくい感情をもつ月の裏ボス、闇のフィクサー的存在。
リリスのヒントを掴んだ後は?
個人的な見方ですが、リリスの示す抑圧された欲望を自分の中に見つけて、現実化してあげるというよりも、感情にアクセスすることが大切なのではないかと思うのです。
というのも、知らず知らずに態度や行動に強調され出ている欲望とやらは、何かの気持ちの隠れ蓑になっているだけだと思うからです。見たままじゃなく、その裏に潜むものが何かに気付いて欲しいのだと思います。押さえつけられれば押さえつけられるほど抵抗が生まれる。そしてどんどん過激にもなりうる。裏の裏へ追いやられた本心は素直に「わたしは本当はこうして欲しかった」とは言えないものではないでしょうか。
だから単純に欲望を現実化しようとしてしまうと、核心部分がいつまで経っても満たされないままになってしまう。だからリリスの欲望は永遠に現実化しないものと言われるのではないかと思うのです。
リリスを自分の今までに照らし合わせ、感じてみて、なんでその行動に表れるのか?なんでそれにこだわってるのか?この欲求はどこから起こってくるのか?を深堀りしていくことで自分が何を求めていたのか?どういう感情を隠し持っていたのか?が少しずつ分かってくる感じです。ほんとのほんとのほんとのほんとのところはどういう感情が始まりにあったの?ってところです。
リリスはかわいく言えばスイッチが入った超絶イヤイヤ期の幼児みたいに上手く伝えられずにいる状態なので、それにそのまま対応していては埒が明かない。その過剰行動の裏の理由に気が付く必要があります。
過剰に行動するということはエネルギーは有り余るほど持っているということ。それがマイナスに働いていますが、そのマイナスに留まらせている部分を解放できればプラスに働くことも可能。マイナスはプラスでプラスはマイナス、全ては表裏一体。欲望の裏に隠れる感情に善悪はないのです。
・・・本来閉じ込められる必要のなかったパワーが閉じ込められてしまった。抑圧された力は行き場を失ってしまった。そこを開けることができた時、皆に恐れ嫌われる悪役リリス像のレッテルからもう解放されていいんだ、と内なるリリスが納得した時、新しいリリスとして有り余る力を使って、自分が自分として自由に生きていく力強さを地球で発揮できるのではないかと思います。
最後に
自分の中のリリスを見つけると、それだけでその抑圧された欲望のテーマに関してのモヤモヤ感や、なにかと何度も起こる問題や、執着していたようなことが捉え方が変わるというか、受け入れたことで軽くなるというかそんな感じになります。
この記事を読んで自分の中のリリスって??って気になる人はチャートで調べてみるといいかもしれません。きっとリリスと何かしらの天体がアスペクトがあったりする人だと思います。
わたし自身はリリスと天王星が0.3度の誤差で重なっている&太陽とオポジションなのでリリスの存在は自分の人生の中で見過ごせない感じです。放っておいたらアピールしてくるので笑。わたしはまだ完全には解放できていないですが、最近またもう一度残っている部分を見つめてみようと思い始めたところです。

[…] リリスについての説明⇒『リリス、抑圧された欲望の解放』 […]
[…] リリスについての説明⇒『リリス、抑圧された欲望の解放』 […]
[…] 🔗リリス 🔗蠍座リリス […]